私は沖縄県民ですが、本土の大学に通った経験のおかげか、
たまに「これチョット変だよな」という沖縄県民独特の会話のクセに気付くことがあります。
それは時に、県外の方を困惑させてしまうこともあるのですが、
地元民なら「あるある!」と笑えたり、
「なるほど、そうだよね」と関心するものばかりです。
そこで今回は、県外の方に温かく受け入れてもらいたい思いも込め、
沖縄県民独特の面白い言葉文化をいくつか紹介しようと思います。
最後までお付き合い下さいね。
沖縄県民は動詞の最後にやたら「ね~」という言葉を付けがちです。
じゃあ、俺は行こうね~
コレ、片付けておこうね~
今からゴハン食べようね~
こんな具合です。
ところが、この「ね~」のニュアンスが県外の方にはチョット伝わりにくいことがあります。
例えば「飲み会は今度行こうね~」と言われた場合、
これは「飲み会に今度一緒に行こうよ」と誘われた訳ではありません。
「飲み会には今度行くからね」と本人が自己申告しただけです。
本当に相手を誘う時はストレートに「行こう」とか「行こうぜ」と呼び掛けます。
一応、本当に誘う時にも「ね~」を使うことがあるので、
紛らわしいといえば紛らわしいですね。
これも良く言えば、共に助け合う「ゆいまーる精神」、悪く言えば、なぁなぁな県民性が浸透した言葉文化と言えなくもないでしょう。
沖縄県民の会話によく出てくるこの「だからよ~」という言葉。
ニュアンス的には「そう、そう!」とか「そうなんだよ」という意味で、
相手の話に同意しつつ自分の話に持っていく繋ぎ文句だったりもします。
とまぁ、そこまでは良いのですが、
面白いのはこの文句を利用して責任転嫁したり、
言い逃れする人がいらっしゃることですね。
例えばこんな笑い話があります。
(お客)おばさん、このパン、カビが生えてるよ!
(店主)だからよ~、今の梅雨時期は恐いねぇ。
(お客)あんたの方が恐いよ・・
激動の昭和をしたたかに生き抜いたオジィーやオバァーにそういう人が多いようなイメージはあります。失礼ながら。
ま、逆ギレされるよりはいっかぁ、とも思えるので、
温厚な沖縄県民を象徴しているな、と笑ってスルーして下さいね。
私が県外の大学に通っていた頃、
知り合って間もない男女数名で合同デートをした時の話。
場が和んできた頃、私がある女の子を軽く下の名前で呼んだら、
周りの人にビックリされました。
「お前ら、そういう仲だったの?ヒューヒュー!」なんてからかわれたんです。
なんでも向こうでは、ある程度親しくならないと下の名前では呼ばないそうな。
「え~、そうなの?沖縄じゃ普通だよ」って、逆にこっちがビックリしましたよ。
そうなんです、沖縄県民は知り合ったらスグ下の名前で呼び合う習性があります。
職場ではさすがにないですが、プライベートの関係で下の名前あるいはアダ名で呼び合うまでの早さは日本一かも知れません。
「いちゃればちょーでー(一度会ったら兄弟)」という沖縄の諺に育まれた素敵な習慣だと私は思うのですが、いかがでしょうか?
結構知られてるかもですが、
沖縄県民は「じょーとー(上等)」という言葉を本当によく使います。
この言葉の使用量は間違いなく全国一で、
シェア率も80%は越えてるのではないでしょうか?
大体、ドラマや映画、漫画等で「上等」という言葉を使うシーンといえば、
「ジョートー、ジョートー!」といった喧嘩のセリフだったり、
かなりグレードが高い物を表現する時くらいですよね。
対して沖縄県民は、
「良い」「最高」「完璧」「綺麗」「素敵」「オッケー」などの同義語として、
ちょっとイイ感じのものから、最高に素晴らしいものまでひとくくりに「じょーとー」と表現しがちです。例えば、
まさる君、散髪して頭じょーとーになったねぇ
この車は燃費が良くてじょーとーだね
この前のお客様への対応はじょーとーだったよ
ここからの眺めが一番じょーとーだなぁ
さっきの演技、とってもじょーとー!
これほど使い方は多岐に渡ります。
なにか歴史的背景があるのかは知りませんが、
じつは単に使い分けるのが面倒なだけかも知れませんね(笑)
よく、気が乗らない飲み会に誘われた時に、
テイよく受け流す文句ってありますよね。
行きたくはないけどハッキリ断れない状況の時、沖縄県民はどう言うか?
できたら行くさぁ
これです。
これを言われたらまず、その人は飲み会には絶対来ないと思って下さい。
そして、これよりもさらに不敵な受け流し文句がコレ。
行けたら行くさぁ
行けたら行く・・?
そりゃそうだろって思いますが、沖縄県民はとっさにそう口走ったりするものです。
飲み会好きな沖縄県民は誘われることも頻繁なので、
いちいちそれらしい受け流し文句を考えてられないのかも知れませんね。
沖縄の方言に「アッチャー」という言葉があります。
これは「歩く人」という意味ですが、沖縄県民はこの言葉を使って実に面白い表現をします。
例えば「海アッチャー」
これは漁師の呼び名ですが、直訳すると「海を歩く人」
魚を求めて海をウロウロするイメージなのでしょうか、
「海を歩く」なんて表現は面白いですよね。
あと、沖縄県民は「大学を出た」を「大学を歩いた」とも表現します。
例えば、
比嘉さんは子供3人も大学歩かせたって?偉いねぇ。
特に年配の方ほどこういう表現をしますね。
なぜそのような表現が定着したのかは知りませんが、
その道を極めんと歩き進む者達へのリスペクトなのかも知れませんね。
さぁ、いかがでしたでしょうか?
紹介したのはほんの一例ですが、少しでも沖縄県民の可愛いさが垣間見れたなら、
こんな嬉しいことはございません。
今回も最後まで読んで頂き、大変ありがとうございました。