【陸上跳躍】大会前にバネをためる練習メニューを元県高校記録保持者が公開

さぁ、いよいよ陸上シーズン到来ですね!

特に陸上を始めたばかりのフレッシュ諸君は胸をときめかせていることでしょう。

しかし一方で、

「大会前って練習メニューどうすれば良いんだろう・・・」

「バネをためるって、どういうこと?」

という疑問を抱いてる人も多いのではないでしょうか?

一生懸命練習しても、調整段階で失敗したら実力が発揮できない訳ですからね、重要な問題です。

特に跳躍選手にとって命である「バネ」をためる上でも、これは重要なテーマです。

そこで今回は、三段跳の沖縄県高校記録を30年間保持した筆者が自身の経験を元に、

大会前の調整練習の目的、

大会一週間前~前日までの練習メニュー、

大会当日の心掛けとウォーミングアップメニュー、

という内容で解説していきます。

これらは当然、選手のタイプ、普段の練習量によっても変わるので、選手各々が経験を積んで確立すべきテーマではあります。

しかし、自分で1から積み上げるより、今回の記事内容をカスタマイズする方が、より早く自分に合った調整方法が固まるはずです。

なので、嚙み砕きながら最後まで読んで頂くことをおすすめします。

なお、私は三段跳が専門なので、幅・三段跳寄りの内容になってますが、その点はご了承下さい。

それでは本編にいってみましょう!

■ 大会前の調整練習の目的

跳躍選手にとって大会前の最大のミッションはやはり、「バネをためる」ことですよね。

昔、同僚の短距離選手に「バネがたまる感覚が解らない」と言われて驚いたことがあります。

「えっ?短距離選手もバネはためなアカンでしょ?」と私は思ったのですが、

短距離選手にはまた違うミッションがあるのでしょうね。私が知らないだけで。

私が高校生の時は、大会前、ためたバネが減らないように校舎の階段をゆっくり昇ったりしたもんです。

ちなみにバネをためるとは「超回復」のことです。聞いたことあるでしょう?

超回復とはザックリ言うと、ハードな練習をこなした後の数日間、適度に休養を取るとパフォーマンスが向上する現象のことです。

大会前の調整練習は、まさにこれが目的なのですね。

私の場合、大会前の調整期間は約一週間取ってました。

そのメニューを次に挙げます。

■ 大会一週間前~前日までの練習メニュー

〈 大会7日前 〉

① ジョグ+ストレッチ

② 走りの動き練習

③ フロート走(120m)×3本

④ スパイクでの快調走(120m)×3本

⑤ ダッシュ(30m)×3本

⑥ 跳躍の動き練習(振り出し)

⑦ リズムジャンプ(30m)×3本

⑧ バウンディング各種(30m)×3本

⑨ ジョグ+ストレッチ+マッサージ

※ ⑥~⑧のやり方については別記事三段跳に有効なトレーニング10選を参照

〈 大会6日前 〉

①~④まで7日前と同様

⑤ テンポ走(200m)×3本

⑥ 跳躍の動き練習(振り出し)

⑦ ジョグ+ストレッチ+マッサージ

〈 大会5日前 〉

①~④まで7日前と同様

⑤ 跳躍の動き練習(振り出し)

⑥ リズムジャンプ(30m)×3本

⑦ 短助走跳躍×5本

⑧ ジョグ+ストレッチ+マッサージ

※ 短助走跳躍では、記録よりも各踏切のタイミングと空中フォームを確認する。

〈 大会4日前 〉

①~④まで7日前と同様

⑤ 跳躍の動き練習(振り出し)

⑥ 助走練習(ホップまで)×5本

⑦ ジョグ+ストレッチ+マッサージ

※ 助走練習では、スピードとリズムのバランスを確認して助走距離を最終決定する。

〈 大会3日前 〉

①~④まで7日前と同様

⑤ 跳躍の動き練習(振り出し)

⑥ ジョグ+ストレッチ+マッサージ

〈 大会2日前 〉

① ジョグ+ストレッチ+マッサージ(完全休養日)

〈 大会前日 〉

①~④まで7日前と同様

⑤ 跳躍の動き練習(振り出し)

⑥ ジョグ+ストレッチ+マッサージ

以上が私の大会前日までの練習メニューですが、基本ポイントは、

大会7~5日前の練習でバネを使う跳躍練習でやや負荷をかける。

大会4日前は助走練習で本番の感覚を掴んでおく。

大会3日前からはバネを使う跳躍・スピード練習は一切しない。

大会2日前を除き、快調走までの基礎練習と跳躍の動き練習は毎日欠かさず行う。

ということになります。

なお、内容とセット数はその日の体調に応じて調整する場合もあります。

そして、普段はこれより2~3倍の練習をしてるのが前提です。

いつもの練習量がこの程度なら調整も何もないです。当たり前ですが。

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あと、この大会前一週間は特に、イメージトレーニングが重要になります。

イメージトレーニングは、それが癖にならないとジャンパーとして大成しないと言っていいくらい不可欠なものです。

私の場合、メニューとしてやった訳ではないですが、常にベストジャンプはイメージしてました。

幅・三段跳選手あるあるだと思いますが、普段歩いてる時、地面にある何かしらの印を踏切板に見立て、数歩前から踏み切るというイメージトレーニングを常々やってました。

周囲に誰もいない時は空中フォームや着地動作までも再現します。

面白いことに、イメージ上の着地点を実測すると、ほぼ自分のベスト記録になるんですよね。

私の現役当時、自宅までの帰り道に目標記録と同じくらいの目印があったので、そこを通る度に、それを跳び越えるイメージトレーニングを常にやってました。

一方、食事の面では、大会前3日前くらいから糖質中心の食事に変える、カーボローディングというのもやってました。

詳しくは別記事【陸上】大会前の食事のとり方が早わかり!と、試合で瞬発力を発揮させる【クレアチンローディング】とは何だ?も参考にしてみて下さい。

■ 大会当日の心掛けとウォーミングアップメニュー

大会当日の起床時間は普段どうりですが、競技開始時刻より最低でも5時間以上前に起床することをお薦めします。

朝一でジョグやストレッチで体を目覚めさせる訳ですが、私の高校では部員全員で学校のグランドでやってました。

そして、会場に到着したら真っ先にやることがあります。

それは競技場内のピットでのイメージトレーニングです。

砂場に向かい、目標の記録地点に着地するイメージを自分が納得いくまで繰り返します。

人目なんか気にしてはダメですよ。大事なポイントは気持ち良くやることです。

会場の空気全体が味方になって、背中を押してくれるような感覚を掴んで下さい。

このイメージトレーニングは、本番でリラックスできて、集中力を高める効果があるのでゼヒ実践してみて下さい。

一応、運営側の邪魔にならないように行って下さいね。

ウォーミングアップ前には軽くエネルギー補給をします。

ゼリータイプの補助食品でもいいですし、私の場合はカロリーメイトブロック(チーズ味)でした。

そして、脚全体にサロメチールを塗りたくり、ジャージとウインドブレーカーを履きます。ちょっとした拷問ですが耐えましょう。

談ですが、一回の試合でエアーサロンパスを丸々一本使いきる強者の先輩もいました。

その行為自体がちょっとした験担ぎになっていたんだと思います。

そして、サブグランドで行うウォーミングアップメニューは次の通りです。

① ジョグ+ストレッチ

② 走りの動き練習

③ フロート走(100m)×3本

④ スパイクでの快調走(100m)×3本

⑤ 跳躍の動き練習

⑥ リズムジャンプ(30m)×3本

⑦ バウンディング各種(20~30m)×2~3本

これらをこなして会場へと向かいますが、本番まで体を冷やさないよう気をつけます。

本番直前の練習では、踏切を合わせる助走練習が最優先になります。

なるべく2本以内で助走距離の調整を済ませ、後は短助走跳躍を2~3本行います。

その際は「自分の跳躍でスタンドの人を釘付けにしてやる」くらいの気持ちで跳びましょう。

本番での跳躍のポイントは第一にリラックス。

気持ちが高ぶると力むので、無心な状態で集中力を高めます。

まるで、踏切板に吸い込まれていくような感覚で助走をスタートさせましょう。

調子が良い時ほどその感覚は強くなります。

あとは神に祈るのみ!人事を尽くせば天も味方して神風も吹きますよ。

大会当日の過ごし方については別記事、陸上【走幅跳・三段跳】大会当日の過ごし方を完全シミュレーションしますで詳しくまとめてるので参考にしてみて下さい。

■ まとめ

さぁ、いかがでしたでしょうか?少しでも参考になった部分があったなら嬉しい限りです。

冒頭でも述べましたが、基本はみなさん個人個人で経験を積みながら固めていくべき課題であることを忘れず、日々の練習を頑張って下さいね。

最後に余談ですが・・

私が高校三年時の高知インターハイ本番前日のサブグランドで、優勝候補の選手が全助走跳躍するのを見て、私は大変驚いたことがあります。

やはり一流選手は、普段の練習量が半端ないから全助走で跳ばないと調子が上がらないのだろうと、私の中で納得はしましたが・・

でも正直、大会前日に全助走跳躍はいかがなものかとは思いましたよ。

残念ながらその選手は優勝を逃しましたが、かと言って、それが間違いだったとは言えません。

その人の調整方法に第三者が正解は出せないと思いますので。

ちなみに私は、練習では一度も全助走跳躍をしたことありません。

それが正解かどうかは置いといて、単純に私は、試合での高まった集中力の中でしか全助走跳躍は怖くて跳べなかっただけです。

それだけ苛酷な種目なんですよ、三段跳って・・

今回も最後まで読んで頂き大変ありがとうございました。
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