我思う。三段跳は世界一ゴキゲンな競技であると

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みなさんは三段跳ってやったことありますか?ないですよね?

ほとんどの人が学校の授業はおろか、遊びですら体験したことがないと思います。

せいぜいTVでやってる世界陸上をチラ見する程度ではないでしょうか?

今回はそんなマニアックな競技、三段跳について思う存分語らせて下さい。

みなさんは三段跳というと、「単に3歩で跳ぶだけなんじゃ?」なんて思ってはいませんか?

ノン、ノン、ノン、ノン!

最初の2歩は同じ脚でケンケンのように跳んで、3歩目は逆足で跳ぶんです。けったいなもんでしょう?

私はつくづく思います。

全速力で踏み切った後、続けざま2回地面をバウンドして着地するなんて、

どんだけゴキゲンな競技なんだよと。

走幅跳とか走高跳は解るんです、やってることが。

三段跳はちょっと解らないですよね。やってた私が言うのもなんですけど。

「陸上競技は人間の日常的運動から自然発生したが、三段跳だけは例外である」

みたいなことを誰かが言ってました。

確かに、ホップ、ステップ、ジャンプの動作なんて自然界には存在しないですね。不自然極まりない。

昔は3回とも同じ脚つまり、全部ケンケンで跳んでいたらしいですよ。

なんで?って感じじゃないですか。

こんな競技を最初にやろうと思った人も凄いですが、今日まで世界中で競われ続けてることも凄いと思うのです。

三段跳は他の種目に比べれば競技人口も少なくマイナーな種目です。

しかし、それには決定的な理由があります。

デンジャラスだからです。

一流選手となるとステップの踏切時に約1t の衝撃が片脚に掛かるそうですから、足腰への負担は相当なもんです。私も一度、踵を潰しました。

なので、女子が正式種目に加わったのも比較的最近ですし、男子でも高校生以上からの参加が一般的です。

余談ですが・・

昔とある大会で、ステップの脚のスイングが勢いよく空振りして、空中で前転しちゃった選手を見たことがあります。

マジですよっ!イメージ伝わりますか?

スタンドは騒然となりましたが、幸い選手に怪我はありませんでした。

さて、この戦慄の競技、三段跳が消滅せずに発展し続けてるのは何故でしょうか?

それはズバリ、他種目に勝る職人的醍醐味があるからです。

三段跳は危険極まりないと言いましたが、極めれば常人離れしたパフォーマンスを会得できるとも言えます。

パンッパンッと大きな音で地面を叩きながら、スーパーボールのように飛び跳ねる様は、一般の方が初めて観ると大概ビックリします。

三段跳は文字通り、3歩トータルの距離を競うので、難易度も単純に3倍です。

どの1歩を欲張っても失敗するし、抑えても記録は伸びません。

つまり、基本のスピードとパワーに加え、3歩の最大公約距離を再現する緻密さとバランス感覚、リズム感までも必要とされます。

故に素人や若輩者が決して勝者にはなれないし、各記録が長年破られない傾向が強いのもそのせいです。

現に今の世界記録は24年、日本記録は33年も破られていません。

あと、経験者は知ってますが、会心の跳躍ができた時は喜びも3倍!

特に、ステップからジャンプへ向かう滞空中の壮快感は何にも代えがたいですね。

そんな感覚に心をくすぐられた者達がこの競技に魅せられ、今日まで発展させてきたのです。

大袈裟でしょうか?

私もこの魅力にハマった者の一人です。30年以上も昔のことですが・・

私が三段跳を始めたキッカケは中学校3年の時、未だに破られない日本記録を持つ山下訓史さんのドキュメント番組をテレビで観てからです。

彼が日本人で初めて17mの大台に乗った時でしたから、番組はかなりインパクトありましたよ。

衝撃を受けた私は我流でトレーニングを開始。

まだその頃はホップとステップが同じ足で跳ぶことさえ知らない少年でした。

高校生になり、地面を引っ掻くように跳ぶことを先生に教わってから記録が伸び出しました。

それまでは脚をピストンみたいにプッシュして跳ぶものだと思ってましたからね。

パトリック・ショーベリーに憧れて後ろ髪だけ伸ばしたり、

フリスト・マルコフに憧れてアディダスのスパイクと白のハイソックスで大会に出たりと、

今思えば純粋に楽しんでましたね。

経験者の方に聞きたいのですが、

10mの踏切板と12mの踏切板はどちらが好きでしたか?

私は10mの方がすごく跳んだように感じるので好きでした。

選手によってはステップで砂場に入ってしまいますけども。

そういえば、10m板で砂場に入らないように抑えて跳んで大会記録を出した猛者が、私の先輩にいましたね。

12mの踏切板だと、たまに砂場に届かない選手もいますが、それは少し可哀想になります。

着地したところが、ちょうど走路と砂場の境目でアイタッ!みたいなことも・・

私は殆ど経験したことないですが、13mの踏切板となると、もうイヤですね。

届きはしますが全然跳んでる感が無い。

大会によっては審判が選手集めて、何mの踏切板にするか話し合うこともありました。

他選手の顔色も伺うのですが、10m板を希望するとカッコ悪いので、

「当然12m板っしょ?」みたいな顔してましたねぇ。

唐突ですが、三段跳は女子にとって、非常に不合理な種目だと思いませんか?

なぜなら、女子は骨盤が大きく、両脚の大腿骨の付け根が離れすぎてて、ステップやジャンプで腰が乗りにくいんじゃないかと。

それであの衝撃に耐えるのはキツいと思うんです。

実際、世界大会とかを観てても、ステップが極端に短めで、ホップとジャンプで距離を稼ぐ選手が多いですよね。

それに対して、男子はエグいほどステップ跳んじゃう選手が沢山います。

この男女の差は、筋力の前に骨格の問題だと私は思うのですね。

いかがでしょうか・・

さぁさぁ、私のいらん心配は置いといて・・

来年は東京オリンピックもありますから、日の丸飛行隊には是非とも頑張って頂きたいですね。

オリンピックかぁ・・スタンドで観たいなぁ・・

あ~、18mジャンプ観てぇなぁ~!

という訳で、今回は三段跳という競技について思う存分語らせて頂きましたが、最後まで読んで頂き、大変ありがとうございました。

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