日本の神様が優しいから日本人も優しい説


今回は恐れ多くも日本の神様について語ります。

私は宗教はやってませんが、殆んどの日本国民同様、お盆には仏壇に手を合わせますし、家族でクリスマスを祝い、正月になれば初詣にも行きます。

色んな宗教の習慣が入り混ざる中でホント、私達は違和感なく生活してますよね。

特にクリスマスから正月にかけて、洋から和への180度スピード転換は目を見張るほどです。

「仏教やキリスト教が入ってきた時、もともと日本には八百万もの神々がいたから一人や二人増えたくらいで文句を言う神様はいなかったんだよ」

斎藤一人さんがユーモラスに教えてくれるとうり、日本の神々の寛大さは半端ないんです。

そもそも教典が無いですし、ああしろこうしろとかイチイチ言わない。ただ見守って下さる。

日本人は意識的にも、無意識にも、それを察しながら生活してきました。

そんな国だからこそ、精神性の高い独自の文化と、寛大なOMOTENASHIの心を世界に発信できてるのではないでしょうか。

おもてなしといえば、こんな面白いエピソードがあります。

昔、外国から来たキリシタンの方が、とあるお寺に泊めてもらった時の話。

迎い入れた住職は、その人が休むスペースを確保する為に仏像やら祭壇やらをサッサと何処かへ片付けてしまったそうです。

客人の為とはいえ、開祖様をも片す大胆な行動に、そのキリシタンの方は大変驚いたそうな。

また、斎藤一人さんが、とある神社の巫女さんに「こちらの御祭神はどなたですか?」と尋ねたところ、

「?・・御賽銭はあちらです」と言われ、ガクッときたことがあったそうです。

まぁ、これは他愛もない笑い話ですが、いずれもホッコリするエピソードですよね。

そんな寛大な日本の神々と日本国民ですが、根っこはとても頑固者です。

いつもニコニコ朗らかなのに頑固な人って、たまにいるじゃないですか。そんな感じです。

なにしろ、日本人は学生時代、あんなに英語を勉強しているのに話せない。

・・頑固なんです。

その昔、中国から漢字を教えて貰いながら、そのままでは使わず、平仮名や片仮名なんかも作っちゃう。

・・頑固なんです。

このように日本は昔から、外の文化を受け入れる寛大さと、決してそのままでは使わない頑固さと、見事な加工品に仕上げる腕前を持っています。

インド人の方が日本のカレーを食べて、

「これはカレーじゃないけど、とてもオイシイですっ!」

と言ったのを昔テレビで観ましたが、それくらい食に関してもスゴ腕なんです。




さらに、武田鉄矢さんがラジオで次のようなことを言ってました。

「日本は他国の真似をして加工はするけど、一部分だけオリジナルのまま永遠に残すという不思議な性質も持っている。

中国が中国を忘れた時、アメリカがアメリカを忘れた時は日本へ行けば良い。

日本には古い中国やアメリカがちゃんと残っているから」

なるほど・・

いつもニコニコ朗らかでいて、頑固者。

野の花は摘まずに眺めているだけの優しいお方・・

日本って素敵な国じゃないですか!

宗教においても同様なのが想像できます。

仏教にしても、日本式にだいぶ変化したでしょうが、その柔軟さがあったからこそ、仏の教えや禅の思想が人々の生活の隅々まで浸透したのでしょう。

それにしても、大したメディアも無い時代に「南無阿弥陀仏」や「南無妙法蓮華経」を民衆に定着させた人達は本当にスゴい功績ですよね。

それを唱えることで、どれだけの人が救われたか知れません。

また、日本文学者のドナルド・キーン氏は、

「中国はHistoryの国だが、日本はStoryの国です。とても素晴らしい」

と言ったそうですね。

この国にはたくさんの物語が溢れていて、日本人の心の中にも、それは生きていると言っとるんですな。

それを受けて、武田鉄矢さんが、

「先の大震災で日本人の秩序ある行動が海外で称賛されたけど、日本人はひっそりと自分の中に物語を持っていて、それを醜くしたくないから、あんなことができたんじゃないかな」

と分析してました。

確かに、日本人は車が全然来ない場所でも信号待ちをするし、財布落としても全額残ったまま戻ってくるような国ですからね。法の力だけではここまで出来ませんよ。

加えて、目に見えない者への畏敬の念が日本人にそういう行動をさせてる、とも私は思うのです。

その念の対象が、仏様や御先祖様、八百万の神々だったりするのでしょう。

そういう目に見えない者との対峙が、既に物語だと言えますよね。

しかし、この狭い日本に八百万の神々がいらっしゃるならば、単純計算で一県あたり約17万もの神様がひしめいてることになります。

そりゃあ何処にいても、悪いことはできませんわな。

アニミズムというらしいですが、日本は精霊崇拝がベースにあります。

神社にはちゃんと御神木があって、石にも魂が宿り、仕事の道具にさえも神様に通じているほどの宗教感を持つ国なんです。

土地そのものにも神様はいらっしゃるから、ちゃんと地鎮祭というのが存在してます。

アレ、魔除けだと思う人もいますが、その土地の神様への御挨拶なんですって。

また、土地を褒めたら、その土地の神様も喜ぶそうです。

沖縄を褒めれば沖縄が喜び、日本を褒めれば日本が喜ぶ。

全ての国が喜べば、世界はきっと平和なんだろうと思います。




ついでに、これは武田鉄矢さん説ですが、

「一昔前、歌手の由紀さおりさんが海外でブレイクしたけど、それは、彼女が童謡『ふるさと』を最も美しく唄い続けた人だから、神様がご褒美をくれたんじゃないかな?」

ですって。

なるほど、意味深な話です。

童謡『ふるさと』は日本人が最も郷愁を覚える歌であり、由紀さおりさんがブレイクした2011年は東日本大震災も起こってます。

先程の土地の神様の話を絡めて考えると、これらの事実が無関係だとはとても思えませんな。

関連してもう一つ・・

天皇陛下が東日本大震災の被災地に行かれた際、海に向かって頭を下げられましたが、

それは、神様から日本国の長として見られている天皇陛下にしかできない事であり、日本国民も暗黙にそれを解っているから、そのシーンに胸を打たれたのでしょう。

自分の心と生活の隅々に神様を宿す日本人だからこそ、天皇陛下はじめ皇室を古くから愛してきたとも思うのです。

さて、話はあちこちに飛びましたが、日本の神様と日本人の素敵なところが少しでも伝わったでしょうか?

最後に・・・

よく、祭壇や神棚とかに丸い鏡が置かれてますよね。

あれは「鏡に映る自分を拝みなさい」という意味もあるそうです。

「私も神なら、あなたも神。だから、自分を敬い美しく生きなさい」

と、日本の神様が言ってるのなら素敵じゃないですか?

そんな神様のもとで暮らしている日本人は絶対に幸せなんです。

目に見えない者に守られている感謝を胸に私達は精一杯、人生を過ごしたいものですね。

今回も最後まで読んで頂き、大変ありがとうございました。

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