みなさんは漫画「スラムダンク」は好きですよね?フフ・・私も大好きです。
リゾートホテルのプールサイドでトロピカルジュースを飲みながら、一気に全巻読破したいくらい好きなんです(なんのこっちゃ)
私は大学時代にハマって以来、度々読み返しては活力をもらってますが、いや~、本当に素晴らしい作品です。
このスラムダンクとマイケル・ジョーダンとナイキのバッシュこそが、現在のBリーグへ繋がる日本バスケムーブメントのビックバンであったことは間違いないでしょう。
少年ジャンプ連載当時は凄い人気だったので、「(悪い意味で)これは漫画ではない」と批評した人がいましたけど、私は言ってやりましたよ。
「じゃあ、何なんだよ?」ってね。もちろん心の中でですよ。
こんな面白い漫画そうそう無いでしょ?作者、井上雄彦氏のバスケットへの並ならぬ愛情の賜物です。
つくづく思いますが、この人はキャラを立てるのが本当に上手いですよね。それが選手のみならず、監督陣にも及んでるのですから驚きです。
主人公はあくまで桜木君ですが、彼を喰ってしまうほどの流川君を対面に置いといて、バックに赤木君、三井君、宮城君という、これまた全員、主役級のキャストによる展開は、まるで映画「七人の侍」のような面白さ!
湘北高のみならず、他校も個性派スターの集まりなので、試合の場面は毎回オールスター戦のような様相なのです。面白くない訳がありませんよね。
個人的に、牧伸一君の登場は上手いと思いました。
物語最初に、流川君や仙道君のド派手なプレーをさんざ見せつけたあと、
「神奈川No. 1の牧は一体どんな凄いことするんだ?」と、読者に期待させときながら、
先程の二人とは全くプレースタイルが違う熱血キャラに設定したのは絶妙なリアルさでした。
牧君は試合でダンクなんてしませんし(できることは間違いないですが)特に派手なプレーもしません。
しかし、相手ディフェンスを破壊するカットインでファウルを貰い、3点プレイを連発するなんざ通好みの男です。
あと、私の勝手な推測なんですけど・・
相田記者が流川君に対して
「彼のプレイは自己中心的とかそういったレベルじゃない。彼はすでにゲームを支配している!!」
と言ったり、赤木君が牧君に対して
「もの凄いボディコントロールのうまさだ・・!!それにゴールへのあくなき執念、あれはすなわち勝ちへの執念」
などと言わせたのは、作者が流川君や牧君に、あのマイケル・ジョーダンを投影させているからではないでしょうか?
赤木君のゴリラっぷりは、まるでパトリック・ユーイングですし、
桜木君の強力リバウンドと赤坊主はデニス・ロッドマンそのものです。問題児という点でも共通している・・
このように井上氏は、頭の中の膨大なプロファイルの中から、実在する誰かをモデルにしてキャラづくりやプレー描写をしてたんでしょうね。
そこが絶妙に、リアルとアンリアルのオモシロ境界線をなぞって、子供から大人までを虜にしたんだと思います。
王者、山王工業の描き方もリアルでした。バスケの実力は超凄いのに、メンバーは普通の高校生らしい茶目っ気キャラだったりするところとか。
中でも、キャプテンの深津君は最高です。ああいう変な子いますよ。
しかし彼は試合となると一変、ゲームメイクのセンスと沈着冷静さは牧君同様、玄人を唸らせます。
桜木君にアリウープを決められても「同じ2点だピョン」と言って、サラリと取り返すあたり、さすが山王工業キャプテンの貫禄でしたね。
少し話を変えますが・・
私はシューズ好きなので、登場する選手達がどんなバッシュを履いてるかチェックしながら読んでたんですね。
そこはバスケフリークの井上氏、分かってます。各選手の個性に合ったバッシュを履かせてますね。
例えば、赤木君は白のコンバースを履きますが、バッシュの中で最も伝統あるブランドの正統派な白というのは、バスケットボールに人一倍敬意を払う彼らしいチョイスです。
宮城君も同じ白のコンバースですが、彼は伊達男なのでファッションの延長でチョイスした可能性大です。
三井君は白のアシックスを履きますが、おそらく「とりあえず全日本メンバーが履いてるやつでいいんじゃね」的感覚だけでしょう。
バスケセンスは抜群ですが、シューズの拘りは、さほど無いと推測します。
流川君はナイキのエア・ジョーダンⅤを履きますが、スタイリッシュで派手なプレーを好む彼らしいチョイスです。アメリカへの憧れも垣間見れますね。
桜木君はナイキのエア・ジョーダンⅠブルズカラーですが、彼の獣のようなプレーを演出するには満点でしたね。
ただ残念なのは、彼がこのシューズの価値を全然分かっていないことです。
湘北メンバー以外で意表を突いたのは、海南大附属の牧君と清田君。彼等は珍しくリーボックのバッシュを履いてます。
牧君は渋めの物を好みそうなので、黒のリーボックをチョイスしたのは頷けます。ポンプテクノロジーに惹かれたのかも知れませんね。
清田君の場合は単に憧れの牧先輩に続いたのでしょう。あえて色は変えて・・
さて、横道に逸れましたが本題に戻ります。
この漫画の魅力はキャラ立ての上手さという点の他に、躍動感溢れる画力とコマ割りの上手さ、ストーリー展開の上手さと演出の上手さでしょうね。殆んど全部じゃねぇか、という感じですけども。
全ての試合がハラハラドキドキの展開ですし、対山王戦の終盤をセリフ無しのノンストップで回したのはド迫力でした。
そして、感動的なシーンの数々が心に残ります。
三井君のカムバック劇・・・そこで飛び出した安西監督の名言「あきらめたら、そこで試合終了だよ」や、
田岡監督が魚住君に言った「たとえオレがどんな名コーチでもお前をでかくすることはできない。立派な才能だよ」という男前のセリフが、全国のバスケ部員をどれだけ救ったか知れません。
そして極めつけは、桜木君が対山王戦で安西監督に吐いたセリフ、
「オヤジの栄光時代はいつだよ。全日本の時か?オレは今なんだよ」
・・・涙が出ますね。
バスケを始めるまで何も持てなかった不良少年が、初めて誰かに必要とされ、自分の全てをかけられる場面での覚悟を決めた一言・・
それを憂えた眼差しで見つめる親友の水戸君・・
「出るなら出ろ」と、コート上から発破をかける流川君・・
お前らみんなカッコ良いよ。
主人公が強くなって敵を打ち負かしていくという定番の醍醐味に加えて、
これら感動ストーリーを随所で見せてくれるから、この漫画は素晴らしいんです。
それと、一つ忘れてならないセリフが・・
ヒロインの晴子ちゃんが沢北君に打ち負かされた流川君に対して、
「ううん勝つか負けるかじゃない・・それよりも流川君が自分を今どう思ってるかが心配なの・・」
くぅ~っ、なんて優しい子なんでしょう!こんなセリフ、桜木君にも言ってやって欲しかった・・
私も年取ったせいか、こういうのにグッとくるんです。晴子ちゃん可愛いいな~
連載終了時から言われ続けてるかと思いますが、いつか続編が見たいですねぇ。
でも、赤木君と三井君が抜けた穴を埋めるキャラを設定するのは超難題でしょうな。
個人的に、これ以上上手くなる桜木君を見るのも少し抵抗感がありますし・・
まぁ、いいでしょう(何が?)
とにかく言えるのは、湘北高校バスケ部員とその仲間達は、
まるで現実世界で身近にいた人のように私達の心の中でずっと生き続けるということです。
最後に、流川君の名言をパクった私の決めゼリフで締めさせて下さい。
「日本一の幸せ者って、どんな人だと思う?きっと、周りを日本一の幸せ者に導く人だと思うんだよな。オレはそれになる。一歩も引く気はねーぜ」
クゥ~!カッコ良くキマッたところで今回はおしまいです。
最後まで読んで頂き、大変ありがとうございました。