今回は私の過去のバンド活動記を止めどなく語ろうと思います。
どうでしょうか、みなさんの周りにもいませんか?バンドマン。
オジサンになってもロックが好き!ギターが好き!聴いてくれるお客さんはもっと好き!
そんなアマチュアバンドの方々が日本中にどれだけいることでしょう。私もその中の一人でした。
今は活動休止中ですが、Freeway というバンドで20代半ばから約10年間、ギター兼ボーカルとして活動したんです。
県内あちこちのライブハウスで多い時は週一で演ってましたが、まー、楽しかった。その一言に尽きますね。
ライブを成功させた時の満足感、練習で演奏が仕上がっていく充実感やオリジナル曲が仕上がっていく高揚感等々、快感溢れる事だらけでしたよ。
そんな魅惑的なバンドというものを私が初めて体験したのは高校二年の時です。
私は陸上部でしたが、長渕剛にシビれるギター少年でもあったので、友達から誘われたんですね。よくある、学園祭用の即席バンドです。
演ったのはレベッカと長渕。食あたりしそうな組み合わせですよね。
観衆にどう聴こえたのかは知りませんが、ライブの醍醐味を味わえるほどの腕前でなかったことは確かです。
少し遡って・・私が初めてエレキギターを手にした時の話をさせて下さい。
高一の時、地元の先輩からメーカー不明の黒い星形エレキとBOSSのエフェクターセットを借りたんです。
・・・衝撃でした。
初めて味わったディストーションのカッコ良さと、コーラスの美しさ。
「えっ?この音とこの音がミックスできるの?キャーッ!!」
エラい興奮しながら、ぽんぽんエフェクター踏んだのを覚えてます。
弾いたとは言っても私はフォーク少年でしたから、リフという概念すら頭になく、
「スモーク・オン・ザ・ウォーター」をコードで全弦押さえて弾いてましたね。
見よう見まねのチョーキングで、クラプトンばりの恍惚な表情もしたもんです。
これキッカケで、私はエレキが欲しくて欲しくてたまらなくなり、先輩から借りた物をそのまま一万円で譲って貰いました。
そのお金を捻出する為に昼飯を100円おにぎり1個で凌ぎましたが、よくそれで部活をやれたもんです。顧問の先生にバレてたらシバかれてましたね。
大学時代はバンドこそ組まなかったものの、ガンズのギターコピーに没頭してました。
エレキギターは相変わらずでしたが、単体のエフェクターを初めて買ったんです。それが・・
BOSSの「Metal Zone」
その名のとうり、ゾーンに入るほどの強力なディストーションは私を虜にしました。若かったですね。
まだ、オーバードライブの渋みを理解出来る歳ではありませんでした。
聞けば、ガンズのスラッシュは、マーシャルアンプにレスポールを直結なんだとか?
それはそれでカッコ良いですよね。彼の不敵なプレイに相応しい。
さて、社会人になり、私のアムウェイ熱も冷め止んだ頃、再び高校の友人からバンドの誘いを受けました。
しかし、私はソロでの活動が頭にあったので、少し迷いましたが、経験しといて損はなかろうと、加入を決意したんです。
それが冒頭で述べたFreeway というバンド。
この名前には「ジャンル囚われずに音楽をやろう!」という、全うな意味が込められてます。
メンバーの音楽の趣味が幅広かったことによりますが、それは、長く活動を続ける上でとても幸運なことだったと思います。
余談ですが・・
このバンド名に行き着くまでに色んな候補名が挙がりましたが、中でも傑作だったのが、
「コーヒー」
偶然飛び出した、このバンド名に一堂爆笑!
バンド名がコーヒーですよ、コーヒー!
「みなさん盛り上がってますかーっ!コーヒーでーすっ!」
なんて、ライブで言ってるのを想像すると可笑しくて可笑しくて。
昔、デーモン閣下が、日本一ダサいバンド名として温めていた「走り幅跳び」をも凌ぐ傑作だと思いましたね。
さて、話を戻しましょう。
特に期待せず始めたバンドでしたが、やってみると、なかなか面白い。
自分が上達するのも楽しいのですが、ぎこちないメンバーの演奏が徐々に馴染んでいって、バチッと一体になった時が超快感なんです。
これは経験者じゃないと分からないでしょうね。
私達は色んなコピーをやりました。
ミスチル、スピッツ、オフコース、長渕剛、斉藤和義、ザ・ブーム、ガンズ、U2、etc.
ライブでは、オフコースの「哀しいくらい」を演って、お客に珍しいと驚かれたり、
ガンズの「ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」を触りだけ演って笑いを取ろうとしたら、ノリの良い外人さんからブーイングを喰らったこともありました。
時には、ステージ上で即興で曲を作って大ウケしたことも。
ライブって、演奏自体も楽しいんですけど、私はMCというのが大好きでした。
どのバンドにも共通するはずですが、ライブ時のMCの出来を大きく左右するのは、
演奏の仕上がり具合とお客のノリ、そして、客席の美人率です。
お客を引き込む雰囲気作りってのは、なかなか難しいですよ。
こっちのテンション上げ過ぎると、空回りして客が引くこともありますからね。
でも、地道にライブをこなしていれば、鉄板MCネタというのが、ちゃんと出来るもんなんです。
・・なんか、そんなことより音楽の腕磨けって感じですか?勿論、磨いてましたよ。
ライブをやるには、それなりに練習しなきゃ無理ですからね。
ちなみに私達は一般的なスタジオではなく、バンド練習専用のアパート部屋で週一回集まって練習やってました。
12畳ほどのジュウタン部屋で、決してキレイではなかったのですが、自前の機材やドラムセットを置きっ放しにできて、自宅の部屋みたく、くつろげる空間でした。
そこで、バンドスコアとにらめっこしたり、演奏合わせたり、女の話したり、酒飲んだり・・
色んな時間を費やしましたね。そして、ある日突然、事件は起こります。
いつものように練習部屋に入り、さぁボチボチやろうかとギターケースを肩から降ろした瞬間、なんか妙なスッキリ感が・・・・?
「うおぉぉぉおーっ!!買ったばかりのJC40が無いっ!どこにも無いっ!なぜに無いっ!?」
私達はパニック状態に。
盗られたんです、8万円ものギターアンプを。当然、それが戻ってくることはなかったです。
そんなことも乗り越えながら、練習とライブを繰り返してた私達に、あるチャンスが訪れます。
県内アマチュアバンド対象のコンテスト本選への出場が決まったんです。
まぁ、普段ライブはこなしていたので、特に気負うことはなかったのですが、一つだけ不安要素がありました。
それはベースのB君・・
正式メンバーのH君が仕事の都合で一時的に抜けたので、代役として私がスカウトした、知念高校陸上部の後輩です。
ベースは素人でしたが、ギター経験者なので何とか人前で演れるまでに仕込みました。
しかしコイツは、ベースギターをスナックの姉ちゃんから譲って貰ってたり、
エフェクターやシールド類をスーパーのビニール袋に入れて持ち運ぶような男だったので、私はコンテストに向けて一抹の不安を感じていたんです。
そして無情にも、その嫌な予感は的中します。
コンテスト本番、大ホールでのステージでモニターが掴み辛かったこともあり、演奏後に知った事なんですが・・
曲の初っぱなからベースが全く鳴ってなかったんです。
それはPAのトラブルでも何でもなく、単にベース側の接触不良でした。
「Bーッ!!テメェコラーッ!!今すぐスナックの姉ちゃん連れて来いやぁぁあっっ!!」
と、キレかかったのですが、優しい私は「しょうがないよ」と彼を慰めました(泣)
コンテストの結果は言いたくありません・・・
さて、ライブ活動を十分謳歌した私達は次に、アルバム製作に取りかかります。
オリジナル曲も結構持ってたので、すんなり仕上がると思いきや、これがトンデモナイ。
レコーディングって恐いですよ。
ライブではノリで演奏をごまかせますが、それが全く出来ない。当たり前ですが。
さらに無味な原音でフィードバックするので、自分の下手さが際立つ際立つ。
納得できないから、繰り返し何度も録り直す・・
何度もやるから、私達のような未熟なバンドは上達する・・
上達するから、前に録ったものが納得できなくなって、また録り直す・・
この無限地獄に私達は見事に陥りました。
しかし、それではいつまでも完成しないので、ある程度妥協して後工程へと進めたのです。
ちなみに、私達は極力お金をかけたくなくて、レコーディングは友人の空き家を借りてやりました。
さらに、自前の宅録用HDレコーダーを駆使し、ミキシングまで自分らでやって、マスタリング以降からプロに頼みました。
しかし、レコがスタジオでなかったのは辛かった・・
せっかく良いプレイができても、外の車の音が入ってしまったり、ひどい時はカエルの鳴き声が入ったんですから。
プレイする人以外は外で棒を振り回しながらカエルを追っ払ったもんです。
アルバムを聴く側は知る由もないでしょうが、作る側は皆こういう見られたくない苦労があるんですよ。・・ないか?
ちなみにレコに使用した機材はKORGのHDレコーダー、ボーカルマイクはRODE、ギター、ベース、電子ドラムは直結で録りました。
余談ですが、私くらいのオジサンになると、宅録のレコーダーもカセットテープ仕様の時代から使ってます。
バンド始めてしばらくして、MD仕様に変わり、アルバム作る頃にはHD仕様の時代になりました。
録音も編集もだいぶ便利になりましたよね。
さて、オリジナルアルバムをどうにか完成させ、ライブ等で手売りしたり、レコード店にも流通させましたが、まぁ売上なんて微々たるもんでした。
それでも、ローカルのCMソングやラジオのテーマソングに起用させてもらったのは嬉しかったですね。
さぁ、長々と赤裸々に語りましたが、バンド経験者の方は少しでも共感して頂いたでしょうか?
できればエレキギターとかの話もしたいのですが、さらに長くなるので次回に取っておくことにしましょう。
今回も最後まで読んで頂き、大変有難うございました。