吉田拓郎自身が引退を決めたステージについて語る

日本歌謡界の大御所、吉田拓郎さんが引退宣言をしてメディアで見かけなくなってしまったことは、私達ファンとして大変寂しい限りですよね。

今回は、松任谷正隆さんのラジオ番組で語られた、吉田拓郎さんが引退を決めたキッカケを紹介します。

対談は伝説のコンサートの思い出話から、最近のコンサートの話に展開していきます。それではどうぞ!

松任谷)今までのベストパフォーマンスって、いつの何て曲?

拓郎)それはねぇ、ものすごい手前味噌だけどねぇ、最近なの。

名古屋でやったライブで、そこでやった「I’m in love」っていうラブソングと、

それから「流星」という曲と、そこをメドレーで3曲ぐらいやったのは、

チョット自分でゾクッとするぐらい、

あ、俺になんか久しぶりに神様が降りてきたって自分で思って・・

松任谷)あ、良いねぇ!

拓郎)うん。それぐらい自分が陶酔しきって、

歌い終わってから、なんかボーッとなったのを忘れられないんだけど。

松任谷)へぇ~

拓郎)ステージ終わって降りて、あぁ、やって良かったっていう気分になったのは、

ホンットに久しぶりというか何十年ぶりの快感で・・

松任谷)え?何年だって?

拓郎)2019年。4年前か?うん。

松任谷)そっかぁ・・それは幸せだよね。

拓郎)それ幸せ。それで、その時にまぁ、武部達がいたんだけど、

やっぱ武部達の演奏もちょっと違ってた。

松任谷)あぁ~

拓郎)そういうことあるじゃん、ミュージシャンなんかさぁ、

松任谷)あるよね。

拓郎)そんときだけ何か違う、っていうなんか・・そのプレイは他の日にはあんまりなかったと思うんだよね。

なんか、俺をすごい歌う気にさせるわけ、その演奏が。

ほんで、「もっとやれ!もっとシャウトしろ!」とか言ってるように感じる演奏だったわけ。

武部や鳥山やベース、ドラムみんなが。

それになんか後ろからこう押されて、「いよぅし、行くぞ!」みたいな感じで歌ってた気がして。

歌い終わった後に冷や汗が出るぐらい、なんかゾッとするぐらい感動が自分の中に走って、ヤッタと思ったのはあった。

それ、すごい久しぶりに味わったベストステージだって自分では思ってる、うん。

松任谷)それあると、でもなんか、次やりたくなくなるよね(笑)

拓郎)それをやったらねぇ、僕はねぇ、もう辞めようかなと思った。

松任谷)あぁ、それキッカケ?

拓郎)うん、キッカケだったの。

俺もういいんじゃないかなとか思ったし、これ以上の欲を出すと、ロクなことないかも知れないとか思ったね。

で、これで満足しちゃおうよ、って自分に思ったのはもう間違いない。

松任谷)あ、そう。

拓郎)うん。

松任谷)ベストステージって、それだけ?

拓郎)それだけ?う~ん・・

2019年の名古屋は・・ちょっと比較できないぐらい出来が良い。

松任谷)それって音源ないの?

拓郎)あ、出てる出てる。

松任谷)あ、出てる?何ていうのに入ってるの?

拓郎)それ、「2019名古屋」

松任谷)あぁ、ホント。

拓郎)「流星」と「I’m in love」というところはちょっとねぇ、なんか凄いなぁ。

松任谷)へぇ~、良いねぇ。

拓郎)うん、凄い自分でもねぇ、「吉田拓郎良いじゃん!」って言ってあげたい。

松任谷)あぁ、そうなんだ。・・もうやり尽くした感じなの?

拓郎)うん、まぁ、例えばツアーとか・・ただねぇ、あのねぇ、レコーディングって楽しいからね、ツアーとはまた別物で。

なんかこう、自分で好きなように、それこそさっきの打ち込みじゃないけど、

そのテクノロジーを使いながら自宅でデモテープとか作ったりする、

その程度の遊びがてら色々曲作ったりはするかも知れないけど、

人前で歌ったりとか、そういうことはもういいなっていうのは、正直言ってあるね。

だから、そこはなんか凄い・・

もう、そりゃあ、マンタ(松任谷)に会えて、鷹彦(石川鷹彦)に会えて、高中(高中正義)に会えて、

それで最後、武部や鳥山がちゃんと締め括ってくれて、大満足の音楽人生ですよ!ホントに、俺は。

松任谷)(笑)・・そうかなぁ・・
なんか、なんかまだ、あるんじゃないかなって、僕なんかは思っちゃうけどね。

拓郎)あぁ・・それさぁ、今ここに来て、こうやって話してるうちに、体の中に少しムクムクとしてるのは・・

例えばブルースね。そのブルースみたいな、このトーキングな感じの、

それで演奏自体は毎回違っていいっていうね、アドリブのセッションでいう、

そういうのが基本になったものっていうのは、

ちょっと・・ちょっとやり残しあるね(笑)正直言って確かに。

松任谷)あるよね。

今回は以上ですが、われらの吉田拓郎が引退したのは寂しい限りですが、「大満足の音楽人生だった」と言ってくれたのは、とても嬉しかったですねぇ。

さて、ここから二人の会話は音楽の作り方や演り方について、さらに深く語られていきますが、それはまた次回ということで、乞御期待!

今回も最後まで読んで頂き、大変ありがとうございました。

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